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航空ジャーナリスト協会
JAPAN AVIATION JOURNALIST ASSOCIATION
 

  

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 第36回総会で、理事に選出され、続く理事会で会長に推挙されました。
 総会の席では、高齢であること(出生:1931年)をお伝えし、理事会では、永年にわたり、メディアに寄稿したり、多くの方を相手に講演活動をしたりしてきてはいるが、小生の出自(バックグラウンド)は、あくまでも航空機の設計(Design)技術者であること、米国流に表現すれば、サンデー・ジャーナリスト ムーンライト・ライターに過ぎないこと。その経歴で、ジャーナリストを名乗る協会の表に出ることに忸怩たるものがあると説明し‥・固辞させて戴こうとした。しかし、ともかく、多くの方からのご推挙を戴き、お引き受けすることになった。
 だが、その時の理事会でもお話ししたが、ここで会員の皆様に、ジャーナリストとは何か?航空ジャーナリストとは何か?改めて問わせて戴きたい。お引き受けするからには、会員の皆様と、航空ジャーナリストあるいは航空ジャーナリストを目指す者という共通の矜持をもって活動したいからです。
 「吾輩は猫である」を書いた夏目淑石は東京帝大の講師だったが、「三四郎」を発表した頃には朝日新聞社に籍を置いていた。だが、淑石はジャーナリストだっただろうか?今日の評価は、あくまでも、文筆家そして英文学者です。
 ライカの達人:木村伊兵衛は高名な写真家だが、フォト・ジャーナリストだっただろうか?フォト・ジャーナリストと聞かれて頭に浮かぶのは、ロバート・キャパやカール・マイダンスだ。
 小生自身も含め、自称、他称のジャーナリストにも、ピンからキリまでがある。どちらが末端で、どちらが先端か判らないが、ともかく、志を高く掲げてはいても、わが会の全員が柳田邦男さんを凌ぐジャーナリストになれるわけではない。だが、迫っていく気概は持っていたい。
 小生なりの愚考で辿りついたジャーナリストに求められるモノ・・それは、事象に立ち向かう時の「姿勢と視点」だ。浅学・非才なサンデー・ジャーナリストの独断と偏見だと云われるかもしれないが・‥“例え些細な事でも、常に、一歩下がって、客観的立場で眺め、作品を見る人、記事を読む人に、将来を考える時の示唆となるものを提供する。
その「姿勢と視点」・・・これがジャーナリズム、そしてジャーナリスト基本”ではないだろうか?
 ともかく、航空史の探索でも、ヒコーキ写真でも、模型ヒコーキの製作でも、子供達への誘いの催しでも、航空博物館の探訪でも・・・だから、どうすべきか?という「姿勢と視点」からのさりげない「示唆や提案」を創り出すのがジャーナリズムではないだろうか?
 だが、振り返ってみれば、・・・歴代の会長は、いずれも、現役時代「プロのジャーナリスト」ではなかった。
 中口先生は、戦時中は海軍技術士官、戦後は東大教授として、日本航空宇宙学会の航空機設計分野の重鎮だった。番匠さんは、防衛庁の参事官(非制服組)として航空機とその周辺技術の開発全般を指導・調整する立場にあった。そのお二人のご経歴の重さ(mass)、そこから生まれた万有引力:求心力が、当時は必要だった。
 なにしろ、当時は協会内には錚々たるジャーナリストの方々が赤めいていた。侃々言等々(かんかんがくがく)たる見識とエネルギーは、求心力が働かかければ箱根山をも噴火させてしまう(マサカ!)。ともかく、旺盛なエネルギーを外に発散させずに、内に蓄えるのには、求心力を創り出す、お二人の経歴の重さが非常に有効だったのだ。ともかくお二人の経歴の重さが、求心力となり、’この協会を纏め、発展させてこられた。
 お二人の後を継がれた方々も、ジャーナリストの出身ではなかったが、それぞれの経歴を活かし、このバラエティに富んだ背景を持たれる方々で構成されている協会の鼎となって、協会を発展させてこられた。
 だが、今日、世界のパワーバランスの変化に伴って、日本の航空;エアライン活動、事業用航空、そして防衛航空を取り巻く環境は、新しい局面を迎えようとしている。
 進行中の国産Jet旅客機、そしてビジネス・ジェット機は、何が何でも成功させねばならない。YS-11を葬った先輩ジャーナリストの愚行を繰り返してはならない。宇宙開発も、小惑星探査だけで、満足してはならないはずだ。そして、噂される将来戦闘機F-3も、対空型無人機計画も然りだ。
羽田の航空博物館も、夢を実現せねば!
 だからと云って、ジャーナリズムが、異口同音の応援歌を唱えることになってしまうことは、もっと危険だ。
 ともかく、協会の各人が、折に触れ、「ジャーナリストとは?」「ジャーナリズムとは?」と自問し、心して言動していただければ、会長職の鼎の軽重に関係なく、ジャーナリストの集まりらしい、航空ジャーナリスト協会の活動が生まれてくると期待している。
 ともかく、大きな網で、広く、情報を収集するジャーナリズムの活動と軍・官・民の航空と宇宙と防衛に関する動きに対するジャーナリストの冷静な提言とが、今後、強く求められてくるはずだ。例え、微力でも、この国の将来の一隅を照射するような、航空ジャーナリスト協会の活動であって欲しい。                                     (とりかい つるお)

                     
       (「風°天ニュース No.121より)